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# あの日を忘れない…

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東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた"宮城県東松島市"
帰京する前に少し時間があったので、野蒜地区の様子を見てきたので報告したい。




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平成23年3月11日に東日本地方を襲った"東北地方太平洋沖地震"
激震が東北・関東地方を襲っただけでなく、津波と原発事故も大きな被害を出す。
これまで三陸海岸やJR常磐線富岡駅を訪れたこともあったが。
 
今回は"宮城県東松島市"の野蒜地区のお話となる。
ぜひ実際に現地を訪れて、空気で感じて震災を思い出してほしい。
# あの日を忘れない…_b0410295_09523370.jpg
東北地方最大の都市・JR東北新幹線仙台駅からローカル線に乗り換える。
地下ホームから発着するのが"JR仙石線"。東北唯一の直流電化となっているJR線だ。
主に仙台圏の通勤通学と塩釜・松島海岸・石巻方面への観光に利用される。
 
首都圏で活躍した"205系直流通勤形電車"が現在も改造されて運行される。
"JR仙石東北ライン"運行開始により、JR仙石線の石巻駅方面への列車は大幅に減った。
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現在の"JR仙石線(JR仙石東北ライン)野蒜駅"。線路移設により高台にある駅だ。
"宮城電気鉄道"によって昭和3年(1928年)に設置、海水浴場による観光開発を実施。
電鉄直営の"野蒜不老山海水浴場(現:野蒜海水浴場)"を開業。
駅名も兵庫県神戸市の有名海水浴場に倣い"東北須磨駅"に改称して観光地化。
 
駅名は路線の国有化により"野蒜駅"に戻し、平成23年(2011年)に"東日本大震災"被災。
全線復旧時に線路移設で高台に移動。これが現在の"JR仙石線野蒜駅"だ。
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"防災集団移転促進事業"により松島丘陵の高台に野蒜駅と新市街地を造成。
海側の旧野蒜駅方面へは、この"野蒜駅連絡通路"(エレベーター設置)を使用して移動可能。
降りた先には"野蒜駅南側交通広場"があり、現在は津波避難場所になっている。
 
乗降客数は震災前の3分の1程度になってしまい、列車の到着に合わせて人がチラホラ。
駅前には"奥松島観光物産交流センター(奥松島イートプラザ)"がある。
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野蒜駅連絡通路の先にある"野蒜駅南側交通広場"から海側を眺めている。
先程も述べた通り、津波避難場所になっているため交通広場も高台に位置する。
ただ"浪分桜"が植えられている通り、ここまでが津波到達地点。
 
大津波が発生する危険性がある時は、避難場所であっても更なる高台へ。
それは旧野蒜小学校(現:KIBOTCHA)が物語っていた。
当時避難場所だった小学校にも津波が押し寄せ、犠牲者が出ている。
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JR仙石線野蒜駅~陸前小野駅の線路だった所。遊歩道・自転車道として整備。
震災当時、野蒜駅で列車交換が行われ下り列車が緊急停車した箇所。
JR仙石線快速石巻行(3353S列車)は、この高台に停車し津波から逃れた。
 
山を切り通した位置に停車し、山にも守られて前も後ろも津波で浸水している。
列車交換を行った上り普通あおば通行(1426S列車)は津波に被災。
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この部分のみ小高い丘になっており、先には現在のJR仙石線の高架が見える。
JR仙石線の高架は途中で色が変わっており、新線切換の地点が容易に判別可能。
この地で乗員乗客約100名が列車内で一夜を明かしたのだ。
 
しかも寒い3月、当時はこの付近も積雪を伴う雪が降っていたぐらいだ。
車内に乗り合わせた人たちは、お互いに助け合って犠牲者を出すことなく避難した。
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JR仙石線野蒜駅の旧駅舎は、"東松島市 震災復興伝承館"として開放。
駅舎の壁には東日本大震災により押し寄せた津波で浸水した高さが表示されている。
野蒜駅は快速停車駅。周囲は住宅街で駅から海は見えなかっただろう。
 
実際に野蒜駅から海までは約800m。当時は住宅や松林で駅からは眺める事が出来ない。
線路から海が近いことを普段から意識している人がどれだけいたのだろうか。
 

# あの日を忘れない…_b0410295_09524233.jpg
営業時間は9時~17時(定休日:毎月第3水曜日)。駐車場あり。
詳細は"東松島市 震災復興伝承館"(東松島市ホームページ/外部リンク)を参照。
旧駅舎の1階および2階にはパネルを用いて様々な展示がされている。
 
2階にはスクリーンがあり、震災当時の記録映像を視聴することが出来る。
未曽有の大災害を知り、これからの防災・減災について考えるキッカケにしたい。
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震災遺構として見学可能な"JR仙石線野蒜駅プラットホーム"
実際に立ち入ることが出来る。ホーム自体は頑丈で残っているが照明等は倒れている。
実際に1周して見て回るが、駅舎の陰になった部分は比較的残っている。
 
この駅舎の無い部分は、津波の勢いで被害を受けている部分が多い。
柱がなぎ倒され、土台部分のアスファルトも持っていかれている様子がうかがえる。
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プラットホーム北西側から野蒜駅を眺める。奥に見えるのが旧野蒜駅舎。
線路自体もダメージを受けており、山側に曲がっていることが分かるだろう。
 
現在、野蒜駅へのアクセスは"JR仙石東北ライン(JR東北本線経由)"がメイン。
JR仙石線石巻行は、1時間に0~1本。JR仙石東北ラインは快速(一部特別快速)運転。
特別快速列車は野蒜駅に停車しないので注意(1日1往復運行)
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東松島市に暗闇が訪れる。沈む夕陽と列車の来ないプラットホーム。
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今回は東日本大震災で被害を受けた"JR仙石線野蒜駅"付近の風景をお届けした。
もっと海岸線方面までゆっくり散策したかったのだが、日帰りだったので断念。
また"宮城県東松島市"にゆっくりと訪れてみたいものだ。
 
震災前は年1~2回ペースで石巻市を訪れていたが、久しぶりに松島以遠へやってきた。
観光需要で新しくなった松島海岸駅は混雑していたが、にぎわいが戻ることを期待したい。
震災の恐ろしさを風化させることなく、定期的に振り返ってみたいと思う。
 
カメラ 30代

by camelife2021 | 2022-10-25 12:50 | 風景写真

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